シニアカーの情報を発信する上で、シニアカーニュースなどをよく目にします。
その中でも、新しい製品の発表など嬉しいニュースもございますが、非常に残念なニュースもあります。
今回は、その中でもシニアカー・電動車いすによる踏切横断についてご紹介いたします。
「製品評価技術基盤機構(NITE)」によると、踏切内の事故は2009年からの10年間で16件発生しているようです。
事故につながった原因としては、複数あり大きく分けるとすると、
1,バッテリー切れなどのシニアカー自体が原因の場合
2,脱輪などの運転操作が原因の場合
3,踏切内の段差やへこみ、遮断機や、緊急停止ボタン、横断距離などが原因の場合
の3種類があります。
一つずつ見ていきましょう。
1,バッテリー切れなどのシニアカー自体が原因の場合
これは、運転者、もしくは介助者や家族が確認することによって回避できます。
いろいろなケースが考えられますが、いきなり初めての踏切を横断する。ということはあまり少ないかもしれません。
逆に、しょっちゅう通っている踏切だから大丈夫。という気持ちで、バッテリー持ちなどに気が付かないケースがありそうです。
踏切横断前には、一時停止するでしょうから、その時にバッテリーランプの確認を同時にするようになさってください。
また、シニアカー・電動車いすでは、バッテリーだけに気をつけるのではなく、タイヤの状態、ハンドルの歪みや遊び、これらもできる限り日常点検に加え、ちょっとでもおかしいと感じたら、専門家に点検してもらいましょう。
2,脱輪などの運転操作が原因の場合
タイヤ幅が線路・レール以内だった場合には、挟まる。ということがあります。
まずは、まっすぐに横断することが大事です。線路とできる限り直角に進行します。
線路内でUターンなどもしてはいけません。
あとは、他の通行量にも寄りますが、あまり端っこを通らないようにします。
車や自転車、人を避けようと端っこを通った時に脱輪してしまうことがあります。
また、線路内のでこぼこ加減で、ハンドルが取られて脱輪する。ということもあるようです。
シニアカー・電動車いすは、かなり重いです。躊躇なく他の方の助けを得て脱輪を戻して踏切を抜け出しましょう。
ハンドルをしっかり握り、線路に対し直角に渡ることに気をつけてください。
3,踏切内の段差やへこみ、遮断機や、緊急停止ボタン、横断距離などが原因の場合
踏切の環境
よく通る踏切だと問題ないと思いますが、都市部などので見られる非常に距離の長い踏切もあります。
初めて通られる際には、横断するのにどれだけの時間がかかるかわかりません、できるだけ介助者や家族と一緒に渡るようにしましょう。
また、踏切自体の幅も狭い場合があります。車一台がやっと。というような場合ですれ違うようなことだと脱輪の可能性もあります。
どれぐらいの幅なのかも基にしてみましょう。
踏切内の環境
線路内の段差やへこみで、ハンドルが取られることがあります。
思わぬ方向へシニアカーが向いたり、脱輪したり。
また、線路部分のコンクリート板が割れていたりして、タイヤがはまってしまう。ということもあります。
遮断器の環境
A.踏切の遮断器が警報機がなり始めてから何秒で下り始めるか。
B.遮断器が下り切るまで何秒か。
C.遮断器が下りきってから何秒で電車が通過するか。
これらの合計時間に注意してください。
踏切を渡り始めてすぐに警報機がなった場合、A+Bの時間内で踏切を横断できればなんとかなります。
※厳密には、その時間ピッタリだと遮断器が目の前まで来ているということにもなりますのでご注意ください。
万が一、完全に遮断機が下りきった場合でも、Cの時間の間にとにかくシニアカー・電動車いすはおいたままでも運転者は踏切から抜け出してください。
よく通る踏切は、一度時間を計かってみるのも良いかもしれません。
非常ボタンの環境
万が一踏切内に立ち往生した場合、「非常ボタン」というものが遮断器横などに着いています。
もし、運転者ご自身が歩いて押せる状態ならば押して乗務員に知らせることができます。
ご自身が歩いて押せない状態の場合、近くにいる方に「非常ボタンを押してください」とお願いしましょう。
よく通る踏切では、手前側と奥側どちらのどのあたりに非常ボタンが設置されているのかを事前に確認しておくことが、とても重要です。
※踏切の規模によって設置されていない場合は、発炎筒もしくはタオルやハンカチなどをできるだけ大きく振って列車に知らせましょう。
もちろん、列車が近づいてきますので、安全な位置で動作を行ってください。
ちなみに、時間ですが、香川県のある踏切での検証結果
A.踏切の遮断器が警報機がなり始めてから8秒で下り始め。
B.遮断器が下り切るまで6秒。
C.遮断器が下りきってから15~20秒で電車が通過。
らしいです。
「電動車いす安全協会協会」は発行する「安全利用の手引き」の中で、「踏切の横断はなるべく避ける」と明記して推奨しています。
なるべく避けれる道があるのであれば、避けてご利用ください。
踏切を渡る時には、できれば介助者や家族の方に同行してもらい、踏切を渡る時の注意点に気をつけながら、安全運転でお願いいたします。